隙をみせないで。
■ 夜になって雨になった。
二日酔いで、一歩も外に出なかった。
伊集院静氏の「乳房」という小説を読んだ。
風呂に入り、髭を剃ったのだが、しくじって血がすこし出た。
■ 桜はもう終わりだろう。
鎮痛剤をかじりながら、薄い酒を嘗めている。
女の耳のかたちというのを、時折思い出すことがある。
側にあるからだが、小さかったり、ふくよかだったり、中の三角に尖っている処が妙に目立ったり、眺めていると不思議に納得してしまうこともある。
十代の少女が、思いの他したたかな耳朶をしているのに気付くと、このように再生産されてゆくのだと思うこともある。